臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

ーあいしてるよ



愛の言葉なんて,いらない。

私達2人の,総意だった。

生きていて,欲しかった。

さっさと諦めて,言葉を託すなんて……



『みお,みおもだよ。ごめんな。これから先,疎外感を感じることも,あると,思う』

『響くでしょ! 喋らないでって言ってるの! 少しでも良くなるように努力して!』


つんざめくような私の悲鳴。

それでもなお,お父さんが口を開く。

止め方なんて,分からなかった。



『でも,どちらも大事な家族だから。澪に,良くしてやって,他人なんて思わないで』

『分かってるし! ちゃんと大好き,ふっ……だよ』

『優しく,して,頼ってやって。唯一の,弟だから,澪は家族だ,いいね?』

『分かってる,澪は私の大事な義弟(おとうと)だよ! もう,もういいでしょ,静かに……お父さん……?』