臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

私は安堵して,ふと目を閉じる。



ーキィィィィイィィィイ!!!



なに…

瞬間的に,音の位置を把握するよりも前に振り返る私。



『……っおとーさん……!!?』



隣を私が駆けている。

これは,なに?

周りもやがてざわめき始め,私だけが取り残されていた。

十字路で,1台の車が,横から来たと見られる大きな車に突っ込まれている。

その反対側には,男性が1人,投げ出されて頭から血を流していた。



「お,父…さん?」



もしかして,これが…周りの言う,お父さんの事故死なの…?

そこに,私がいたの…?