「澪,知ってるよ,きっと!」

「何を…」

「だって言ってたもん! 『もうすぐ礼夢の誕生日』だって! 礼夢くんそうゆうの教えてくれないでしょっ」

「何で…」

「知らないけど! でも,大丈夫だよ! それでも澪は,礼夢くんの友達だから。うん。大丈夫」



胸にせりあがってくるのは何か。

閉じた目蓋が熱い。



「ふふっ。またね。今日はありがとう」



ただ,視界から消えていく笑顔が。

妙に,綺麗だった。

…なんだ。おんなじじゃ無いんじゃん。



「ははっ」



ごめんな,澪。

俺ってば,欲張りな兄ちゃんみたい。

あの泣き虫な女の子は,俺が守ってあげたい。


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