「うん…ふふっ。分かった,ちゃんと,話す」
確かに,私はあの日,知られたく無かったからと何も話さなかった。
それは今も変わってない。
好きな人がいたら諦める。
とはならないかもしれないけど,私の意志が堅いことさえ伝われば良い。
「あははっそのちょーしだよ,みおちゃん」
その言葉が,温かく私の背中を押した。
____________________
「可愛いね,みおちゃん」
「礼夢はまたすぐそうやって……え」
「なに」
「まじなの」
「なにが?」
「それこそまじなの? …………澪は」
『あんたじゃむりよ…』
雫は胸の内からでかかった言葉を,自分だけが知るものとしておさめた。
わざわざ言うのも野暮よね,と雫は礼夢を見上げる。
澪が行ってしまった後のこの会話は,生涯雫だけのもの。
だって,礼夢がなんにも気付いてないから。
そんな何にも気付いてない礼夢の世界一柔らかい顔は,雫だけが知っている。
ーばかね,どいつもこいつも叶わない恋を追っかけて。せめてあの2人には,拗れず上手にやって欲しいのに…。
確かに,私はあの日,知られたく無かったからと何も話さなかった。
それは今も変わってない。
好きな人がいたら諦める。
とはならないかもしれないけど,私の意志が堅いことさえ伝われば良い。
「あははっそのちょーしだよ,みおちゃん」
その言葉が,温かく私の背中を押した。
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「可愛いね,みおちゃん」
「礼夢はまたすぐそうやって……え」
「なに」
「まじなの」
「なにが?」
「それこそまじなの? …………澪は」
『あんたじゃむりよ…』
雫は胸の内からでかかった言葉を,自分だけが知るものとしておさめた。
わざわざ言うのも野暮よね,と雫は礼夢を見上げる。
澪が行ってしまった後のこの会話は,生涯雫だけのもの。
だって,礼夢がなんにも気付いてないから。
そんな何にも気付いてない礼夢の世界一柔らかい顔は,雫だけが知っている。
ーばかね,どいつもこいつも叶わない恋を追っかけて。せめてあの2人には,拗れず上手にやって欲しいのに…。



