何か大事な話しかもしれないと，私は一先ず大丈夫だよと返信する。

すると2秒も経たない内に電話が鳴り出して，私もすぐに応答した。


「もしもし？」

『もしもし，急にすみません，澪さん』

「んーん。学校は？」

『いつも持ってきてる訳では無いですが，そんなものどうとでもなります』



そ，そうですか。

私はハキハキと話す麻冬ちゃんに気圧される。

何だかずっと遠くの人と話しているような気分だ。



「それよりなんで敬語…」

『私達の関係を取り払って，百鬼　菖の妹として電話をしているからです』



どきりとする。

電話を切ってしまいたい衝動に駆られ，それでも何とか「そう」と返した。

何かもっと聞きたくない，耳の痛い話が始まりそうだ。