何か言いたげな澪の視線が突き刺さる。

何度も口を開きかけて,私はその度に理由を着けて逃げた。

おはよう以外の全てをかわして,学校へ向かう。

授業も半分以上終えて,ようやく落ち着いた昼休みがやって来た。

お腹が痛くなって,人気の無い場所に移動する。

まだ,返信していない。

いわゆる,既読スルーと言うやつ。

何度も文字を起こしては,消えていく。

会う,会わない。

それですら揺れている。



ーブブッ



あぁ,見るのすら億劫になってくるこの音。

まだ何も決まってないのに,と思いながら見ると,それは菖ではなく,その妹麻冬ちゃんからだった。



『今,話せますか?』



……学校は?