ハロー、愛しのインスタントヒーロー



悲しくて辛くて、絢斗がいなくなってから毎晩泣いていた。そんな時に届いたこの手紙は、神様からの贈り物と等しく尊いものだった。

すぐに返事を書いた。
寂しい、帰ってきて欲しい、会いたい。多分、そんなことばっかり書き殴った気がする。

彼からの手紙は、月に一度、郵便受けに届いた。
何度も郵便受けを確認して、入っていた日は飛び上がるほど嬉しくて、なかなか封を切れなかった。結局いつも我慢できずに、玄関で開けてしまうのだけれど。

最後まで読んだら、もう一度最初に戻って読み直す。五回繰り返してようやく気が済む。
返事はどうしよう。何のことを書こう。新しいレターセットを買いたいな。

次の日も、そのまた次の日も読み返して、長い一か月を待った。


『ななちゃん、元気ですか?
 僕は元気です。この間、新しくできた友達と遊びました。みんなすごく優しくて、本当にいい人ばっかりです。

 来週は遠足に行きます。とっても楽しみです。もっといろんな人と仲良くなれたらいいなと思います。』


手紙の内容は、少しずつ前向きになっていった。
新しい学校のこと、友達のこと、その友達と遊んだ時の話。全部私の知らないことだ。