駿佑に遅れて給湯室から出ると、いつもご機嫌な万千湖がやってきた。
「あっ、お疲れ様です~っ」
と挨拶してくる。
「お疲れ様。
大金の置き場所は決まった?」
と言うと、
「あっ、小鳥遊課長か、増本さんか、福田さんか、綿貫さんか、部長に聞きましたねっ?」
と万千湖は言う。
大金隠したいんじゃないの? しゃべりすぎでは……、と思い、笑った。
「白雪さんの冷凍食品、おいしかったから、買いに行っちゃったよ」
うは……と万千湖は一瞬、苦笑いしたが。
「でもあれ、どれもおいしいですよね。
私が厳選した冷凍食品なんで」
と胸を張る。
「そこ、威張るとこ?」
と言いながら瑠美が横を通った。
「お疲れ様で~すっ」
とこちらに向かい、愛想良く挨拶してくる。



