万千湖たちは海沿いの水族館に来ていた。
建物の中の通路を歩いていると、頭の上をたくさんのペンギンが泳いでいく。
渡り廊下の天井が水槽になっているのだ。
明るい昼の光にきらめく水の中、ペンギンたちが結構な速さで移動している。
「壮観ですね~。
水族館にしてよかったです」
と万千湖は笑った。
「最初、水族館、天気あんまり関係ないような、と思ったんですが。
ここでこうしていると、日差しとともに、ペンギンが降りそそいできそうで、素敵ですね」
と万千湖は笑った。
「……ペンギンは降りそそいでこないだろ」
いや、このくらいいたら、一匹くらい降ってきそうな気がするんだが……、と万千湖はペンギンを見上げる。



