OL 万千湖さんのささやかなる野望

 女の方はまだ万千湖に手を振っていて、男の方が苦笑いして止めている。

「……知り合いか?」

「そうみたいです」

 そうみたいです?

 万千湖は店を出るとき、ぺこり、と彼らに向かい、頭を下げた。

「やだ、かわいーっ」
と叫んだのは女の方だった。

 ……最初睨んでなかったか? と思いながら、そちらを気にする自分の腕をつかみ、万千湖は急ぎ足で店を出て行った。