OL 万千湖さんのささやかなる野望

「お前、サビ抜きの海老しか食ってなくないか?」

「いや~、だから、回転寿司がいいかなって」
と万千湖は笑う。

「心のままに食べられるではないですか」

 普通の店でやったら、大将の顔が険しくなりそうだ。

「でも、今日誘ってくださってありがとうございました」

 そう言い、笑って見つめると、何故か駿佑は少し動揺したような顔をした。

「おかげで、約束のシールも使えました」

「……なんだ、約束のシールって」

「スケジュールシールの約束のシールです。
 いつも、つい、ランチとか、呑み会とかのシール貼っちゃって。

 約束ってあんまり使うことないですよね。
 あと、待ち合わせも。

 そういえば、デートのシールも使ったことないです。
 あっ、でも、今度課長と使えますね」
と万千湖は笑う。