「てなことがあったんですよ」
とサビ抜きの海老を食べながら万千湖は言う。
「恐ろしいですね、イケメンという存在は。
あんな山の中まで、いるかいないのかわからないのに人を呼び寄せてしまうとは……」
そこで万千湖は周囲を見回した。
今、私の横にもすごいイケメン様がいる。
あんなイケメン様と寿司を食べるとはっ、とか誰かに妬まれて。
何処からか吹き矢とかで狙われてしまうかもしれない、と思ったのだ。
「……なにをしている」
キョロキョロしていたせいか、不審がられてしまった。
あー、いえいえ、と適当な返事をしながら、万千湖はサビ抜きの海老を食べた。
「そういえば、これ、欲しいんですよね」
万千湖は目の前にある蛇口を見る。
お湯が出てくる蛇口だ。
グラスフィラーとかいうらしいが、まあ、お湯が出てくる蛇口だ。



