OL 万千湖さんのささやかなる野望

「む、無理です」

「なんでもいい。
 なにかしろ。

 俺ばっかりお前に愛を示しているようで、気に入らん」

 万千湖はすごく迷って、そっと手を伸ばすと、駿佑の頭を撫でてみた。

「……なんだ、こんなことかと思ったが。
 そうやって、強制的でなく、やさしく撫でられると嬉しいものだな」

 いやあなた、充分強制してますよ、と思いながらも、万千湖は、でしょ? と言う。

 だが、駿佑は俯いて難しい顔をした。

 えっ? やっぱり駄目でした? と万千湖が思ったとき、駿佑がボソリと言ってきた。

「……でもまあ。
 キスしてくれた方が嬉しいが」

 ええっ? と万千湖は後退する。

 駿佑は万千湖を見つめている。