OL 万千湖さんのささやかなる野望





「なんか今日の瑠美さん可愛かったですね~」

 万千湖は夜、共有リビングで紅茶を淹れながらそう言い、笑った。

「恋する女は可愛いって言うからな」

 はっ。
 なんですか、その課長らしくない発言っ。

 まさかっ。
 可愛いなと思いながら、瑠美さんを見てたとかっ!?

 万千湖は慌てて紅茶から顔を上げたが、駿佑は何故か万千湖の方を見て満足そうに微笑んでいた。

 ……いや、なんなんですか、と万千湖が赤くなって、俯きかけたその瞬間、駿佑が眉をひそめて言った。

「……ということは、お前が俺を好きでなくなったら、可愛くなくなるのだろうかな」

 何故、あなたは一言多いんですか。

 いい話で終わらせる気はないんですか……。