「まあ、丑の刻参りの頭つけてんのもある意味、ヘッドライトだよね」
昼休み、瑠美が行きたいと言ったので、みんなで行ったランチの店。
キャンドルの灯りで、そっと万千湖の寝顔を照らそうとした丑の刻参りな駿佑の話が出たとき、綿貫がそう言った。
「ムーディな光が出るヘッドライトならいいかもね」
……嫌です。
そして、何処に売ってるんですか、そんなもの、と思う万千湖は、安江が妙にキョロキョロしているのに気がついた。
「どうしたんですか?」
と訊くと、
「いないじゃないの、イケメン」
と安江は言う。
「瑠美が行きたいって言った店だから、絶対、客か店員にイケメンがいると思ったのに」
「今度は第二月曜にしかいないとかじゃない?」
と綿貫が言って、みんなで、どっと笑ったのだが、瑠美はひとり深刻な顔をしていた。



