いや、今日は平日。
 仕事ですよっと思ったが、強い力でベッドの中に引っ張り戻される。

 真横に駿佑の顔があった。

 ひっ、逃げ出したいっ。

 寝起きの私をそんな近くから見つめないでくださいっ、と思う万千湖に駿佑が言ってくる。

「まだ早いだろ。
 もうちょっとここにいろ」

「え……で、でも……」

 駿佑は万千湖を抱き寄せ、目を閉じた。

「……目が覚めたとき、お前がいないと。
 全部夢だったかと思って不安になるから」

 駿佑のぬくもりと鼓動がすぐそこにある。

 万千湖は自らも目を閉じながら思っていた。

 い、いいんでしょうか? こんな毎日。

 ……なんか幸せすぎてバチが当たりそうな。

 そう思いながら駿佑の温かさに、またうとうととしていた万千湖は夢の中で、バチが当たっていた。