OL 万千湖さんのささやかなる野望

 しかも、田中洋平はご近所さんでもない。

 おじいさんがご近所さんなだけだからだ。

 次に黒い窓の外からの連想か。

 黒いコートのポケットに手を突っ込んだ黒岩が暗闇から現れる幻を見た。

 漂う雰囲気から死神のようにも見える。

 黒岩と目が合ったと思った瞬間。

 黒岩はこちらを見据え、一直線にやってきた。

 B級ホラーより怖いっ、と違うことで怯えているうちに、映画はよくわからないまま終わっていた。

 まあ、B級ホラーだからな、と万千湖を見ると、万千湖は笑いながら、

「面白かったですね」
と言ってくる。

 気持ち悪い映像などもあったが、全体的にツッコミどころが多く、面白かったらしい。

 ……B級ホラーを選んだのは失敗だったか。

 ほんとうのホラーだとこっちも怖がってしまって、いい雰囲気にならないかもと思ったのだが。

「もう寝ましょうか」
と万千湖が立ち上がる。