OL 万千湖さんのささやかなる野望

 



 万千湖と駿佑は、日々、恋人同士というには、なにかが違う日々を送っていた。

「それはもうちょっと薄く切れ。
 味がしみにくいだろ」

 今は料理学校の先生と生徒。

「大きな道に出る前は、よく左右を確認して。
 ウィンカーは出したか」

 今は自動車学校の先生と生徒。

 いや、先生と生徒じゃないか。

 車に乗る前に、
「俺の命は、お前に預けた。
 お前と一緒なら、どうなってもいい」
とか真剣に言っていたから。

「……待ってください。
 我々、すぐそこの狸のコンビニに行くだけですよね?」