OL 万千湖さんのささやかなる野望

 


 万千湖の家のリビングで万千湖たちは食事をした。

「それで瑠美さんがお料理作ってくれて、お洗濯もしてくれて。

 朝、お洋服を選んでくれて、起こしてくれて。
 ヘアメイクもしてくれて、会社まで車で乗せてきてくれる人と結婚したいって言うんです」

 美味しいレンコンのきんぴらを食べながら、万千湖は、綿貫が、家政婦さん雇ったらと言ったという話をする。

 すると、駿佑は、
「それは家政婦だけじゃ駄目だろ」
と言う。

「ヘアメイクアップアーティストとスタイリストとドライバーも必要だろ?」

 そうですよね、はははは、と万千湖は笑い、食べていたが。

 駿佑の口数は少なかった。

 課長、楽しくないのかな?

 お疲れかな?
と万千湖が思ったとき、特に人も通らないので、カーテン開けっ放しの暗い窓の外を見ながら駿佑が言った。

「ジョウビタキ」

「は?」