夜、駿佑と家に帰った万千湖は一緒に万千湖の家のキッチンに立っていた。
交代で夕食を作ろうという話になっていたが。
帰りは駿佑の車なので。
どちらかが先に帰って食事の支度、という感じには、今のところ、なりそうになかった。
ただ、交代でそれぞれの家のキッチンを使うだけ、という感じだ。
でも、結局、ほとんど課長が作ってるよね~。
手際良く料理する駿佑の側で、万千湖は言われた通り、レンコンを切りながら思う。
いよいよ、私も車を買うときが来ただろうか。
ぎこちない手つきで包丁を使いながら、万千湖は宣言してみた。
「私、車買おうかと思います」
「車? なにするんだ?」
今度はニンジンを渡しながら駿佑が訊いてくる。
「会社の行き帰りに使おうかと思って」
「……別々の車で行きたいのか」



