OL 万千湖さんのささやかなる野望

「白雪と俺と……ずっとあそこで暮らしたい」

「駿佑……。
 ちょっと話がわからないところもあるけど。

 やっぱりマチカはお前に任せたのでよかった」

 そう雁夜は言ってくれたが。

 白雪と俺と……の間に、ちょっと間があったのは、駿佑の頭にいろいろと浮かんでいたからだ。

 白雪と俺とまつぼっくりと、ずっとあそこで……

 待て。
 なんで、まつぼっくりが浮かぶ。

 刷り込みだ、恐ろしい、と駿佑は思った。

 白雪と俺と近所の人たちと、狸とずっと……

 待て。
 近所の人たちはともかく、狸はあいつの妄想だろう。

 駿佑はふたたび、未来の設定をし直す。

 近所の人たちと狸と激突する鳥とあそこで……

 待て。
 白雪何処行ったっ!?

 あの場所、インパクトのある物が多すぎるっ、と駿佑は苦悩していた。