OL 万千湖さんのささやかなる野望

 駿佑の頭の中で、なにも進展しないまま歳をとり、ぽかぽかとした縁側にふたり並んで、なにもない庭を眺めていた。

 ただ、万千湖の指にあの指輪が光っているのが唯一の救いか。

 どうして、俺は私生活では不器用なんだ、と思う駿佑に、雁夜が、

「ほんとはアドバイスするのもちょっと癪なんだけど。
 どうせ、マチカは僕なんかの手には負えない気がするからさ。

 ねえ、駿佑。
 恋愛も仕事のように考えてやってみたら?

 ほら、マチカとの結婚をゴールに据えて、いつもみたいに計画的に」
と言ってくれる。

「……ありがとう、雁夜」

 そう感謝しながらも、駿佑はひとつ訂正する。

「だが、ゴールは結婚じゃない方がいいな。
 俺はあいつとずっと一緒にあそこで暮らしたい。

 ブランコに白雪が後頭部を小突かれても」

 何故?
 っていうか、ブランコあったっけ? という顔を雁夜がする。

「滑り台に白雪が宙吊りになっても」

 何故?
 っていうか、滑り台あったっけ? という顔を雁夜がする。