「課長っ、今夜こそ、シャンパン呑みましょうねっ」
万千湖の家を見たあとで、出て行こうとする駿佑に万千湖がそう言ってきた。
駿佑はすぐには答えなかった。
……今、二人で酒を呑むのは危険だ。
だが、このまま永遠に、ここで酒を呑まないということもありえない。
シャンパン、家を建てたら呑もうという約束だったしな、と思った駿佑は、
「……そうだな。
じゃあ、コンビニでなにか買ってきて、それとシャンパンで夕食にするか」
と万千湖に言う。
「あっ、そうですねっ。
冷蔵庫の中、まだなにもないですしね。
なんだかちょっとウキウキしてきましたよっ。
って、この家に越してきてから、ずっとウキウキしてるんですけどっ」
機嫌よく言う万千湖に駿佑は、ちょっと笑う。



