OL 万千湖さんのささやかなる野望

 呪いのモデルハウス? と呟く万千湖に言う。

「呪われるの早すぎだろ。
 建ったばっかりだぞっ。

 っていうか、お前がまつぼっくりに呪われてんだろっ」

 自分で言いながら、まつぼっくりに呪われるってなんだ? とは思っていたのだが……。

 実は、まつぼっくり移動事件の真相は単純で。

 そもそも、万千湖は、まつぼっくりをゴミ箱に捨てたつもりだったが。

 遠くから投げ入れたので入っておらず、転がっていて。

 手伝いに来た万千湖母がそれを踏んで、
「なによ、これ、痛いじゃないの」
とダンボールの上に置いた。

 ゴミ箱ももう運び出されていてなかったからだ。

 そこにダンボールを運んでいた純がやってきた。

 積まれたダンボールの上に置かれいる、まつぼっくりを見、

 インテリアかな? と思った。

 万千湖が100均で買ってきたのに違いない、と思ったのだ。

 几帳面な純は、それを丁寧に梱包して他の荷物に突っ込み。

 こちらで荷物を開封したとき、何処に置くのかわからなかったので、リビングの棚に置いた。

 それを駆け回る比呂が落としただけだったのだが。

 その過程を知らない二人にとっては『何処に行ってもついて来る、まつぼっくり』になり、ちょっとしたホラーだった。