OL 万千湖さんのささやかなる野望

 なんだ? と屈んで見ると、ちょっと端が折れてしまった、ちっちゃな、まつぼっくりだった。

 それを拾いながら、駿佑は叫ぶ。

「また、まつぼっくりかっ。
 マンションから運んできたのかっ」
と言うと、万千湖は、そんな莫迦なっ、という顔をする。

「なんか飼ってんのか、お前はっ。
 リスとかかっ。

 っていうか、お前がリスかっ!?」

 駿佑の頭の中で、万千湖リスが森から、まつぼっくりを運んで来て、カリカリ齧っていた。

 すると、そのあとには、エビフライが落ちている。

 『森のエビフライ』と呼ばれるものだ。

 リスがまつぼっくりをカリカリやったあとの食べ残しが、エビフライそっくりなのだそうだ。

 今、目の前にいる万千湖リスは、まつぼっくりをカリカリやらずに、駿佑の手にある、まつぼっくりをマジマジと眺めていた。

「どうして、片付けても引っ越しても、まつぼっくりが……。
 なにかの呪いですかね……?」