OL 万千湖さんのささやかなる野望





 万千湖は先に中に入り、まだ窓のところに立ち、純たちを見ている駿佑に言った。

「……純くん彼女がいるそうです」

「……何故、それを俺に報告してくる」

 いや、言えと言われたからです、と思いながら、万千湖も外を見る。

 比呂はまだ走り回っていた。

 なにが楽しいのかよくわからないが、小学生男子はよく走る。

「そういえば、比呂くんが、ここ、これだけ広いのなら、ブランコとか滑り台とか置けるねって言ってました」

「ブランコに滑り台?」

「子どもは喜びますよね。
 あ、私もちょっと嬉しいですけど、ブランコとか。

 でも、ブランコより、あれが欲しいかな。
 お洒落なハンギングチェア」

 そう言い万千湖は笑って、比呂たちを見る。