夕食は美雪の手作りの煮物や吸い物の他に、寿司も取ってあった。
万千湖は寿司を見ていて、ふと思い出し、回転寿司のお湯が出てくる蛇口が欲しい話を語る。
「そうね。
家にあったらいいわよね、回転寿司の蛇口。
今、欲しいわ~。
お茶なくなったし~」
と美雪が言うだけで、駿佑の父は、のそりと立ち上がり、急須のお茶を淹れ直してきた。
「あら、ありがとう」
振り向かずに美雪は言い、
「マチカさんも、お茶どう?」
と万千湖にも注いでくれる。
ありがとうございます、と万千湖は、また、のそりと腰を下ろした駿佑の父と、美雪に礼を言った。
……このご主人がいらっしゃれば、回転寿司の蛇口はいらない気がするのですが、と思いながら。
それにしても、なんという気の利くご主人!
課長も結婚したら、こんな風になるのでしょうか。
……いや、気は利きそうだけど。
一言二言を、毒を吐きながら動きそうだ、と想像して笑ってしまう。



