OL 万千湖さんのささやかなる野望

「灯りのともった大きなおうち。
 仄かに香る晩ご飯のいい匂い。

 なんか最高のおうちですよね」

 車を降りながら、万千湖が笑うと、駿佑が黙る。

「どうしました?」
と振り返ると、

「いや……俺たちの家もそんな風になるといいなと思って」

 実家を見上げながら、駿佑はそう呟いた。

「そうですね。
 ……でも」

 でも? と駿佑が見る。

 仕事で疲れて帰ったら、家から、おいしいご飯の匂いがするところがポイントなのですが。

 ご飯、家が自動的に作ってくれるわけもないので、自分で作らないとですよね~と思い、万千湖は苦笑いした。