OL 万千湖さんのささやかなる野望





 翌日の昼。
 万千湖は急ぎの郵便物を郵便局に持っていくよう頼まれた。

 わーい。
 仕事中に外に出られるとか。

 しかも、いい天気。
 万千湖は会社の車で出発した。

 最初はちょっと慣れないな、と思ったのだが、すぐに運転もスムーズになり、鼻歌まじりに郵便局に向かう。

 用事を済ませ、戻ろうとしたとき、駿佑からショートなメッセージが入っていることに気がついた。

「暇なとき電話してくれ」

 相変わらず、短い、と思いながら、万千湖は車に乗り、電話してみた。

 すぐに駿佑が出る。

「いや、すまない。
 お前が廊下で増本たちに、郵便局に行くと話していたのが聞こえてきたから」

 駿佑は今、小会議室で、ひとり作業をしているらしい。

 それで、電話の方がいいと思ったようだ。

 長々とメールを打つのがめんどくさかったのだろう。

「さっき、部長に会ったんだ。
 昨日、二人で出かけたと報告しておいた。
 嬉しそうだったよ」

「そうですか。
 それはよかったですっ」

 そう言いながらも、ちょっと不安がよぎってもいた。

 人の良い部長がお喜びなのは嬉しいが。

 このまま部長に続けてお喜びいただくためには、結婚して、仲人を頼む、まで行かなければならないのではないだろうかと……。