OL 万千湖さんのささやかなる野望

 


 今日、課長の仕事が早く終わらなかったら、会わないかもしれないし。

 お腹も空いてたんで、ちょっと朝の残り食べちゃってたんだけど。

 やはり、ここは肉。

「決まったか」
「肉で」

 メニューから顔を上げ、万千湖は言った。

「肉と……
 いや、肉ならワインか。

 いやっ、でもっ、日本酒と心に決めてたんでっ。
 だったら、魚介っ?」

 L字になっているカウンターの向こう側で大きな海老、イカ、貝類がニンニクとともに焼かれている。

「……どれも頼め。
 おごってやる」

 熱く悩む万千湖にちょっぴり引き気味になりながらも、駿佑はそう言ってきた。