OL 万千湖さんのささやかなる野望

「点が下がったぞっ」
「僕は上がったよっ」

「もう一勝負だっ」
「今度は『商店街サバイバル』はどう?」

 いや、さすがに、課長、そんなマニアックな歌はよく知らないかと……。

「いいな。
 あの曲、『その駄菓子屋の前を曲がると魚屋~♪』のところが一番難しい気がしないか?」

 そこ、一番上手いユカちゃんのソロパートですね……。
 
 万千湖は盛り上がっている二人に突っ込むのはやめ、フロントに電話する。

「すみませーん。
 特盛フライドポテトと巨大パフェ追加で~」

 もうすることないから、食欲に走ろう。

 ……勝ったり負けたりしているようだが。

 結局、私は、どっちと暮らすんだろうな。

 二人だけで暮らすからお前出ていけとか言われないだろうか……と彼らの盛り上がりように不安になりながら、楽しげな男たちを眺めていた。