OL 万千湖さんのささやかなる野望

 待ってください。

 だったら、私も広い部屋がいい、と思った万千湖は、

「はい」
と手を上げた。

「私も参戦してもいいですか」

 いや、何故っ!?
という顔で二人は見るが、

 いやいや、そもそも、こっちが何故ですよっ、と思っていた。

「私が勝ったら、私はひとりで住みます。
 課長と課長が一緒に住んでください」
と万千湖は宣言する。

 安江が、
「やだっ、写真撮ってきてっ。
 今度家、招待してっ」
と狂喜する姿が頭に浮かんだ。

「意味がわからないがっ?」
と駿佑は言ったが、雁夜は、

「……まあ、それもいいかもね。
 マチカの歌も聴きたいしね」
と言ってくれた。

「それでこいつが勝ったら、俺とお前が暮らすのかっ。
 意味がわからないっ」

 そう駿佑はわめいていたが、雁夜はわめかなかった。

 万千湖が勝つことなどないのをわかっていたからだろう。