朝の身支度を整え、仕事に行こうとした駿佑は、タブレットで流していた動画を止めて思う。
……今、また無意識のうちに、『太陽と海』の動画を流してしまっていたな。
昼、駿佑は小会議室で女子社員たちに混ざって、万千湖の弁当を食べながらそのことについて考えていた。
横に座る万千湖は、隣の瑠美と楽しそうに話している。
その横顔を見ながら、駿佑は思う。
俺はもしや、こいつのファンなのか?
いや、別に歌も踊りも上手いと思わないし。
そんなはずもないんだが。
そう。
ファンというのは、あいつのような奴のことを言うんだ。
駿佑は、最近、よく自分と一緒にここでコンビニ弁当を食べている雁夜を見た。
あいつの弁当の横にある、あのブルーの生地にたくさん細い文字が白抜きで入ってるペットボトルホルダー。
遠目だが、マチカのグッズじゃないのか?
また落札したのかっ?
綿貫辺りが聞いていたら、
「いや、遠目でわかるお前の方が怖いんだけど……」
と言ってきそうだったが、口に出さなかったので、誰も突っ込んではこなかった。



