OL 万千湖さんのささやかなる野望

 まあ、すでに住宅メーカーの人たちが、なんなんですかと思ってそうだけどな……。

 清水も清水の上司たちも、自分たちに結婚の予定がないことはもう知っているのだが。

 そのわりには、みんな、いつもニコニコしていて、その辺の人間関係には突っ込んでこない。

 駿佑も万千湖も不思議に思っていたが。

 実は、清水たちは二人の様子を見て、

 でも、なんだかんだで結婚するんだろうな、この二人、と思っているだけだったのだが、二人とも気づいてはいなかった。

 シックな収納ボックスの前に立ち、万千湖が呟く。

「こういうのって、全部そろえたらいい感じになるんだろうな~、と思うんですけど。

 いっぺんに買うのはちょっと抵抗があって。

 いつも、2、3個そろえたところで挫折するんですよね~」

 次買おうと思うとき、もうそのシリーズなかったりするし、と言う万千湖に、
「100均だろ。
 ここにあるの、全部買ってやるよ」
と言って、駿佑はカゴにそれらを入れようとした。

「待ってください!」
と万千湖が腕をつかんで止める。

「それ、1個500円ですよっ!」

「いや、だから、500円だろっ?」

「課長っ。
 100均での500円は、普通の店で使う1万円と同じですよっ!」
とわかるようなわからないようなことを言う万千湖に止められた。