「これから借金生活がはじまりますが、せめて100均では、ぱあっと行きたいかなと思いますっ」
万千湖は100均でカゴを手にそう宣言する。
駿佑がどうしてもおごらせなかったので、なんとしても、100均でなにか買ってあげよう、と思っているようだった。
「まあそうだな。
1800万円に追加で結構かかることだし」
その分もとりあえず、駿佑が立て替えてくれることにしていた。
「現金で払わずに、ローンの方がいろいろ控除受けられるからいいって話もありますけど」
と万千湖は言うが、
「……うちの場合、銀行とかに説明するのがややこしいだろうが」
と駿佑は言った。
一緒に家を建てるが。
結婚するわけでもなく、籍を入れないだけの事実婚、というわけでもない。
たまに一緒に出かけたり、お弁当を作ってもらったりするだけの間柄。
職場は一緒だが、部署も違うし、直属の上司というわけでもない。
「一体、なんなんですか……」
と言われそうな関係だ。



