OL 万千湖さんのささやかなる野望

 


 今日はいろいろ確認事項もあるので、あの当たったモデルハウスの中で契約を交わすことになっていた。

 外から今度自分たちが住むことになるモデルハウスを眺め、万千湖はしみじみと言う。

「ほんとうにこの家に住むんですね。
 なんだか信じられません。

 夢のようです。

 すでに家具とかそろってますけど。
 インテリアとか、ちょっと自分流にアレンジしてみたいですね」

 課長はもうなにか考えられましたか? と訊かれる。

「いや、特に……」

「私の住居部分、どんな感じが合うと思います?」

 ニコニコ万千湖は訊いてくるが、頭の中に浮かんだのは、豪華な家の中にあるたくさんの100均グッズだった。

「……100均グッズが上手く使われている感じかな」

 頭の中では雑多に買ってきたものが積まれていたのだが。

 それではさすがに夢がないだろうと思い、駿佑はそういう言い方をした。

「100均グッズ、いいですよね~。
 他には?」

 えっ?
 他に……っ?

 他にあるか、自分で考えろ。

 っていうか、なんでもいいが、散らかすなよ、と思う。

 共有部分は俺が気をつけておくが、お前の住居部分までは片付けられないからな。

 そう駿佑は思っていた。