OL 万千湖さんのささやかなる野望

 だが、男同士で呑み会の連絡をとっているときと変わらないその感じに、ホッとしてもいた。

 これなら、なんとかなりそうだ、と思ったからだ。

 あまり、女、女した女性は苦手だからだ。

 万千湖は見かけだけは、お嬢様風で、女らしいが。

 中身は真逆のようだった。

 なんかやること雑だしな、とあの太陽の光に当てて、なんとか読めた黒い消しゴムに書かれた鉛筆の文字を思い出す。

 消しゴムを窓に向かってかかげ、何度も向きを変えるという謎の行為をするハメになり、みんなに不審がられた。

 そっと渡してきた意味は何処に……と思いながら、万千湖に返信する。

『迎えに行く。
 住所を教えろ』

「もう電気消すけど、いいかね?」

 ふいにすぐ側で声がして、慌てて顔を上げると、恰幅のいい三田村部長が目の前に立っていた。

 慌てて、スマホを切る。