「考えてみれば、お前は愛想はいいし、礼儀正しいし。
息子の嫁に欲しいとか、孫の嫁に欲しいとか言われそうなタイプだよな」
「……息子の嫁に欲しいと親が思うタイプと、息子が嫁に欲しいと思うタイプは往々にして違うらしいですけどね」
万千湖は、よく近所のおばちゃんたちに言われていたセリフを思い出していた。
「万千湖ちゃんは、もういいお相手いるんでしょう?」
それを言われるたびに、母親が、
「いないいない。
いるわけないじゃないの、この子に」
と笑い、おばちゃんたちが、
「あらー、こんなにいいお嬢さんなんだから、いないわけないわよ。
お母さんが知らないだけよ。
ねえ、万千湖ちゃん」
と言う。
それは、幾度となく繰り返されていた会話。
だが、そのたびに、万千湖は微笑み返しながら思っていた。
そのいるはずの私のお相手。
お母さんだけではなく、私も見たことも聞いたこともなく、知らないのですが……、と。
息子の嫁に欲しいとか、孫の嫁に欲しいとか言われそうなタイプだよな」
「……息子の嫁に欲しいと親が思うタイプと、息子が嫁に欲しいと思うタイプは往々にして違うらしいですけどね」
万千湖は、よく近所のおばちゃんたちに言われていたセリフを思い出していた。
「万千湖ちゃんは、もういいお相手いるんでしょう?」
それを言われるたびに、母親が、
「いないいない。
いるわけないじゃないの、この子に」
と笑い、おばちゃんたちが、
「あらー、こんなにいいお嬢さんなんだから、いないわけないわよ。
お母さんが知らないだけよ。
ねえ、万千湖ちゃん」
と言う。
それは、幾度となく繰り返されていた会話。
だが、そのたびに、万千湖は微笑み返しながら思っていた。
そのいるはずの私のお相手。
お母さんだけではなく、私も見たことも聞いたこともなく、知らないのですが……、と。



