「この黒髪ロングヘアでメガネの……」
「へえー、可愛いじゃん。
なるほど。
これが『太陽と海』だったか。
いや、名前は聞くんだけど、俺、あんまりアイドル興味ねえから。
兄貴、こういう人が好みなの?
その見合い相手がこういう顔なの?」
「……いや、本人なんだが」
ええっ? と誉と、ダイニングに座っていた母が叫び、まったく気のない素振りで新聞を読んでいたソファの父も顔を上げた。
「あんた、騙されてるよっ」
と叫ぶ母の声に被せるように、
「兄貴っ、ミズキ紹介してもらってっ」
と誉も叫ぶ。
「誰だ、ミズキって……」
「900万円、詐欺だよっ」
黒岩さん化した母がまた叫ぶ。
「ミズキ知らねえのっ?
超人気アーティストじゃんっ」
「そういう人たちとは関わり合いなさそうだが……」
「一応、全国展開してるグループなのにっ?
兄貴、騙されてるよっ」
「騙されてるよ、駿佑っ!」
弟と母が同時に、騙されてるよっ、と連呼するので、洗脳されそうになったが。
職場に行ったら、万千湖は相変わらず、ぼんやりして、ヘラヘラしていた。
「へえー、可愛いじゃん。
なるほど。
これが『太陽と海』だったか。
いや、名前は聞くんだけど、俺、あんまりアイドル興味ねえから。
兄貴、こういう人が好みなの?
その見合い相手がこういう顔なの?」
「……いや、本人なんだが」
ええっ? と誉と、ダイニングに座っていた母が叫び、まったく気のない素振りで新聞を読んでいたソファの父も顔を上げた。
「あんた、騙されてるよっ」
と叫ぶ母の声に被せるように、
「兄貴っ、ミズキ紹介してもらってっ」
と誉も叫ぶ。
「誰だ、ミズキって……」
「900万円、詐欺だよっ」
黒岩さん化した母がまた叫ぶ。
「ミズキ知らねえのっ?
超人気アーティストじゃんっ」
「そういう人たちとは関わり合いなさそうだが……」
「一応、全国展開してるグループなのにっ?
兄貴、騙されてるよっ」
「騙されてるよ、駿佑っ!」
弟と母が同時に、騙されてるよっ、と連呼するので、洗脳されそうになったが。
職場に行ったら、万千湖は相変わらず、ぼんやりして、ヘラヘラしていた。



