OL 万千湖さんのささやかなる野望

 



「いい点数でしたね、課長。
 やはり、私の歌はなにか間違っているのかもしれません」

 駐車場に向かって歩きながら、万千湖は言った。

「なにを言うマチカ……

 違った、白雪」

 あなたまで雁夜課長に引きずられないでください、と思ったが。

 実は、さっきカラオケのとき流れていた映像のせいだった。

 呑んでいない雁夜が瑠美と綿貫を、駿佑が万千湖を送っていってくれることになった。

 車に乗った途端、駿佑が言ってくる。

「そうだ。
 お前を親に紹介したいんだが」

 えっ? と万千湖は驚いたが、駿佑はあくまで事務的だった。

「お前と家を買う話、一応親に言ったら、一度、お前と会ってみたいと言い出したんだ。

 同じマンションかアパートに住むモノ同士っていうのと変わらないポジションなのにな」

 どうする? お前が嫌なら断るが、と駿佑は言う。