OL 万千湖さんのささやかなる野望

 


「そもそも、デビュー曲の『マイスター』は一体、なんのマイスターについて歌ってる曲なんだ。

 いまいち伝わってこなかったが」

「あ、あれは、マイスターとマイ・スターをかけてるんだとお茶屋のシゲさんが……」

「お茶屋のおじさんが歌詞書いてんのかっ」

 すごいじゃないかっ、などと駿佑と話している間に、呑んで騒いで疲れたらしい綿貫は寝ていた。

 雁夜が駿佑に言う。

「もう終わりだよ。
 最後に歌いなよ、駿佑。

 嫌なら無理にとは言わないけど。
 せっかく来たんだからさ」

 ちょっと迷ったようだったが、うむ、と駿佑は立ち上がる。