OL 万千湖さんのささやかなる野望




 夜、八時。

 家に帰ったあと。
 明日のお弁当の準備、

 つまり、冷凍食品はどの種類が何個あるかな? とか、
 小分けにした冷凍ご飯は何個あるかな?
とかの確認をしたあと、万千湖はテレビを見ながら、ゴロゴロしていた。

 ああ、平和っ。
 そして、自由っ。

 最高だっ! と万千湖は白いアザラシ型のクッションを抱いて、飽きることなくゴロゴロする。

 仕事も家事も終わったあとの、なにをしてもいい、この時間。

 なにに使おうかな、とか思っているうちに過ぎてしまったりするのだが。

 結局、なにもできなくてもいい。

 この時間、なにに使おうかな、とか考えているときが、一番の至福のときのような気がするからだ。

 だが、そんなささやかな幸福の時間を打ち破るショートメールが入ってきた。

『終わったぞ。
 大丈夫か』