万千湖が歌い終わると、拍手が起こった。
「94.541点か」
と駿佑が呟き、
「なにそのツッコミどころのない点数。
もっと上か下にしなさいよ」
と瑠美が無茶を言い、綿貫が、
「本人が歌っても、100点じゃないんだ?」
と驚いていた。
「えーと。
みんなで歌ってる歌だし、私の歌わないそれぞれのソロパートもありますしね」
と万千湖は一応、弁解してみる。
そこで、そういえば、マラカスも振らずに真剣に聞いていた駿佑が、
「さっきの歌詞だが。
失恋して泣いてるの、ショコラティエの方じゃないよな。
ショコラティエに失恋した女の子が泣いてる歌だろ、これ。
『涙のショコラティエ』だと、ショコラティエの方が泣いてることにならないか?」
といや、そこ、ツッコミますか? というところにツッコんできた。
「……『涙の、ショコラティエに失恋した女の子』だと長すぎるからじゃないんですか?」
そう万千湖が答えたとき、ねえ、と雁夜がスマホを手に呼びかけてきた。
「本人の前で歌うの恥ずかしいんだけど、『マイスター』歌っていい?」



