「まあ、しっかりやれよ、万千湖」
あまり邪魔しても、と思い、黒岩はその場を去ることにした。
駿佑に向き直り、
「万千湖をよろしくお願いします」
とCDの宣伝するときと同じ感じに言って、その場をあとにする。
しばらく行って振り返ったが、あの二人はまだ寒い中、ベンチに座り、揉めながらも楽しそうにお弁当を食べていた。
今日はかなり寒いんだが。
でも、こいつら寒さが気にならないんだろうな。
マチカは寒がりだが、あの男と二人でいたら、寒くないようだ。
幸せにな、マチカ。
まだ駿佑がもらってくれるとも限らないのに、もう妹か娘を嫁に出すような気持ちで、しんみりしながら、黒岩はその場を立ち去った。



