OL 万千湖さんのささやかなる野望





 爽やかな……

 というか、この季節になると、ちょっと……、かなり寒い森のオープンカフェ。

 コートの前をかき合わせ、車から降りながら安江が言う。

「今日は激しく二人に傷つけられたから、二人のおごりね」

「私もですか?」
と万千湖は訊いた。

「いつも同じ髪型って言うからよ」

「いや~、その髪型お似合いなんで、いつも一緒でいいじゃないですか。
 私もいつも同じですよ」

 前は変えられなかったしな。
 そういう規約だったから……と思いながら、山を上がっていく。

 第二駐車場は店から少し離れた場所にあるからだ。

「あ」
となにかに気づいて瑠美が言った。

「また取材かな?
 入れるかな。
 人気なのね、この店」

 そういえば、カメラが……。

 機材の準備をしているスタッフたちが見えたが。
 その近くに、困ったことに黒岩がいた。