OL 万千湖さんのささやかなる野望

「そうなんですよ。
 お見合いはともかく、お茶褒めてもらって嬉しかったです。

 でも、実はお茶の淹れ方、アイドルを辞めるとき、黒岩さんに習ったんですよね。

 会社勤めするのなら必要だろうって言われて。

 黒岩さん器用なんで、意外とそういうのも得意なので」

 そこで万千湖は小首を傾げて言う。

「黒岩さんに習ったお茶の淹れ方を褒められて、お見合いの話が来たわけですよね?

 ってことは、黒岩さんが部長の息子さんの嫁にスカウトされたようなものでは」

 でもその話、結局は息子が断って俺に回ってきたわけだよな。

 駿佑の頭の中で、突然やってきた謎の男が万千湖を追い払い、自分の前に座った。

 ……いやいや。

「そういえば、課長。
 玄関の七福神様にお祈りされました?

 課長はまだなにも願ってらっしゃらないから、七つ願えますよ」