OL 万千湖さんのささやかなる野望

 ちょっと気が多いような気もするが。

 誰も彼も良く見えるなんて、ある意味、幸せな人生だ

 その前向きな姿勢とバイタリティで、最後には、なにかすごい物をゲットしてきそうな気がする。

 そのなにかが、なんなのかと問われてもわからないのだが……。

「なにそれ嫌味っ。
 嫌味なのっ?」
と万千湖は瑠美に両頬を引っ張られる。

「イケメンエリート課長をゲットしたやつに言われたくないわ~っ」

「な、なにもゲットなんてしてませんよっ」

「二人で家を買うんでしょうがっ」

「いや、まだ決めてな……」
と言いかけ、万千湖は、ハッとする。

「そういえば、家とかマンション買うと結婚から遠ざかるって言いますよね?」

 不安になってそう言ったが、

「……いや、あんた、課長と住むんでしょうが」
と言われてしまう。

 でも……、シェアハウスですからね、と思いながら、万千湖はチラ、と振り返る。

 経理の前の廊下にも、駿佑の姿はもうなかった。