OL 万千湖さんのささやかなる野望

 


 解散して自分たちのフロアに戻ったあと、ロッカールームに向かいながら、瑠美が訊いてきた。

「あんた小鳥遊課長と仲いいみたいね」

 付き合ってるの? と問われ、

「はあ。
 全然そういうのでなくて……」
と万千湖は瑠美に事情を説明してみた。

 この人になら、話しても大丈夫かなと思ったからだ。

 黙っててください、と言ったら、意外としゃべらなさそうな感じがする。

「ええーっ。
 なにそれっ。

 課長と見合いとかっ。
 お茶が美味しく淹れられるだけで、そんないいことがあるのっ?」

 私にもお茶の淹れ方教えてよっ、と瑠美は言う。

「そして、人事の部長に、ぜひ、次男の嫁にとか言われて見合いを勧められて、断られて」

「断られたいんですか……。
 あと部長に次男って、いらっしゃるんですか?」

「知らないわよ。
 そして、断られたそこに、部長に連れられた雁夜課長が見合いの代理として来るのよっ」

 あの、日曜の人とか、黒岩さんはどうなったんですか……と思いながら、万千湖は呟いた。

「……瑠美さん、人生夢いっぱいですね」