OL 万千湖さんのささやかなる野望

 なんだ……。
 課長も本気であの家に住みたかったのか。

 付き合いで言ってくれてるのかと思ってた、と思いながら。

 駿佑がひとつ溜息をついたとき、扉が閉まりかけた。

 駿佑は横から手を伸ばし、万千湖の前にある延長ボタンを押す。

 いきなり目の前を駿佑の腕がよぎって、ちょっとドキリとしてしまった。

 壁ドン風の体勢に見えなくもなかったからだ。

「まあ、お前が住むのに、手続き上、名前だけ貸してやってもいいんだが。

 ひとりで住むのなら、1800万。
 ふたりで住むのなら、900万」

 どっちにするんだ? と駿佑は万千湖を見下ろした。