「あんた、腕時計なんてやってたっけ?
ってか、なんで両方?」
お昼休み。
もうお弁当作りは挫折したらしい瑠美に誘われ、万千湖は社食に来ていた。
今日は自分もお弁当を作れなかったので、ちょうどよかった。
ちなみに、瑠美に気づかれ、追求された二個の腕時計は、荒縄のあとを隠すためだった。
片方はブレスレットにしたかったのだが、細いのだとなにも隠れないし。
ゴツいのだと、
「なんでそんなのやってきてんのよ、生意気~」
と瑠美に言われそうな気がしたので、やめたのだ。
だが、どのみち、時計でも同じことだったようだ。
瑠美に、何故、二個もやっているのかと問われ、万千湖は返答に詰まる。
「えーと……。
日本時間と……
フィンランドの時間です」
「……なんでフィンランドよ」



